特定施設入居者生活介護の概要
サービス内容や対象施設、料金などについて。
特定施設入居者生活介護とは
特定施設入居者生活介護は、介護付き有料老人ホームや介護付きケアハウスなどで提供される介護サービスのことです。
※要介護者向けのサービスは「特定施設入居者生活介護」、要支援者向けのサービスは「介護予防特定施設入居者生活介護」といいます。(以下、この2つを合わせて「特定施設入居者生活介護」と表記します)
サービスの対象者
特定施設入居者生活介護のサービスは、「要支援1・2」または「要介護1~5」の認定を受けた人が対象となります。
※別途、施設ごとに入居条件が定められています。
対象となる施設
このサービスの対象となるのは次の施設です。(これを「特定施設」といいます)
- 特定施設
-
- 有料老人ホーム
- サービス付き高齢者向け住宅(一部を除く)
- 軽費老人ホーム(ケアハウス等)
- 養護老人ホーム ※このサイトでは扱っていません
上記のうち、基準を満たして「特定施設入居者生活介護」の指定を受けた施設が、このサービスを実施することができます。(施設内部のスタッフが「介護保険適用の介護サービス」を提供できるようになります)
※この指定を受けた施設のことを「特定施設入居者生活介護事業所」といいます。(「介護付きホーム」と呼ばれる場合もあります)
指定を受けた施設では、名称に「介護付き」が付けられています。
- 特定施設入居者生活介護事業所
-
- 介護付き有料老人ホーム
- 介護付きサービス付き高齢者向け住宅(介護付きサ高住)
- 介護付きケアハウス
※サービス付き高齢者向け住宅とケアハウスでは、「ケア付き~」や「介護型~」と表記される場合もあります。
特定施設入居者生活介護のサービス内容
特定施設入居者生活介護では、主に次のサービスを受けることができます。
- サービス内容
-
- 食事、排泄、入浴などの介助、その他の日常生活上の世話
- 機能訓練
- 健康管理
- 療養上の世話
サービス形態の違い
特定施設入居者生活介護のサービス形態には、「一般型」と「外部サービス利用型」の2種類があります。
どちらの場合も、基本サービス(ケアプランの作成、安否確認、生活相談等)は施設内のスタッフが実施しますが、介護サービスの提供部分については次のような違いがあります。
一般型
施設内にてケアプランを作成し、「施設内のスタッフ」が介護サービスを提供します。
※この形態を「一般型特定施設入居者生活介護」といいます。
外部サービス利用型
施設内にてケアプランを作成し、施設から委託を受けた「外部の介護サービス事業者」が介護サービスを提供します。(訪問サービスや通所サービス、福祉用具貸与など)
※この形態を「外部サービス利用型特定施設入居者生活介護」といいます。
これは、介護サービスの業務を「施設が外部事業者に委託する」という形で実施されるため、利用者と外部事業者との間に契約関係は生じません。
自己負担額の目安
特定施設入居者生活介護の料金体系は、サービス形態によって変わります。
- 一般型
- 要介護度ごとの定額制
- 外部サービス利用型
- 基本サービス費(定額) + 利用した分の介護サービス費
「一般型」では、要介護度ごとに1日あたりのサービス費用が決められています(包括報酬)。
「外部サービス利用型」では、基本サービス費(ケアプランの作成、安否確認、生活相談等)については定額となりますが、それ以外の介護サービス費については、利用した分に応じた費用を支払うことになります(出来高報酬)。
一般型
一般型の1日あたりの基本料金(介護サービス費)は次のようになります。
利用者の要介護度[上段] | 自己負担額(1日)[下段] |
---|---|
要支援1 | 182円 |
要支援2 | 311円 |
利用者の要介護度[上段] | 自己負担額(1日)[下段] |
---|---|
要介護1 | 538円 |
要介護2 | 604円 |
要介護3 | 674円 |
要介護4 | 738円 |
要介護5 | 807円 |
外部サービス利用型
外部サービス利用型の1日あたりの基本料金(基本サービス費)は次のようになります。
利用者の要介護度[上段] | 自己負担額(1日)[下段] |
---|---|
要支援1・2 | 56円 |
要介護1~5 | 83円 |
上記の「基本サービス費」に加え、利用した分の「介護サービス費」が別途必要となります。
外部サービス利用型では、「基本サービス費 + 介護サービス費」の合計額が「支給限度額」を超えない範囲内で利用することになります。
※このサービス(外部サービス利用型特定施設入居者生活介護)に対する支給限度額は、通常の区分支給限度額とは別枠で独自の金額が設定されています。また、このサービスを通して利用する介護サービスについても、独自のサービス単価が設定されています。(具体的な金額は省略しますが、全体的に通常よりも低めに設定されています)
共通事項
食事代や部屋代などは介護保険の適用外となるので、それらの費用は自費で負担する必要があります。
短期利用について
施設によっては、空室を利用した「短期利用」を行っている場合があります。(特定施設におけるショートステイ)
連続利用日数は最大で「30日」までで、「要介護1~5」の人が利用できます。
※これを「短期利用特定施設入居者生活介護」といい、一定の要件を満たした「一般型」の施設において実施が可能となります。
1日あたりの基本料金は長期利用時の「一般型」と同額です。(短期利用時のサービス費は「支給限度額」の対象となります)