特定福祉用具販売の概要

対象品目や利用条件、購入費用などについて。

要支援 要介護
更新日:2020/01/18
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特定福祉用具販売とは

特定福祉用具販売は、利用者の日常生活に必要となる福祉用具を、介護保険を使って購入することができるサービスです。

このサービスでは、レンタル(福祉用具貸与)にはなじまない性質の福祉用具(入浴や排泄に使用するもの、再利用できないもの)が購入の対象となります。

※指定事業者からの購入でないと、介護保険の対象とならないので注意が必要です。

※要介護者向けのサービスは「特定福祉用具販売」、要支援者向けのサービスは「特定介護予防福祉用具販売」といいます。(以下、この2つを合わせて「特定福祉用具販売」と表記します)

サービスの対象者

特定福祉用具販売のサービスは、「要支援1・2」または「要介護1~5」の認定を受けた人が対象となります。

特定福祉用具販売の対象品目

このサービスで購入できる福祉用具は次の5品目です。

介護保険適用の品目[上段] 説明[下段]
腰掛便座 ポータブルトイレ、和式便器を腰掛式に変換するもの、様式便器の高さを補うもの、等
自動排泄処理装置の交換可能部 レシーバー、チューブ、タンク等(装置本体は「福祉用具貸与」の対象)
入浴補助用具 入浴用いす、浴槽用手すり、浴槽内いす、入浴台、浴室内すのこ、浴槽内すのこ、入浴用補助ベルト
簡易浴槽 工事を伴わない簡易的な浴槽(空気式、折りたたみ式等で移動可能なもの)
移動用リフトのつり具の部分 リフトに取り付けるつり具(リフト本体は「福祉用具貸与」の対象)

購入費用に関して

利用限度額

購入費の利用限度額は、1年間につき「10万円」までとなります。(1年の期間は毎年4月1日から翌年3月31日まで)

  • ※限度額を超えた分は全額自己負担となります。
  • ※限度額の範囲内であれば、複数回に分けて利用することができます。(ただし、原則として同一品目は1回分のみが支給対象となります)
  • ※どの要介護度であっても限度額は同額となります。

なお、この利用限度額は区分支給限度額とは別枠で設けられています。

自己負担額

利用者が支払う自己負担額は、購入費用の1~3割です。例えば30,000円の商品を購入する場合、利用者負担割合が「1割」の人は3,000円を自己負担することで購入することができます。この場合、年度内の利用可能残額は70,000円となります。

支払い方法

購入費の支払い方法には、「償還払い」と「受領委任払い」の2方式があります。

償還払い
利用者が購入費用の全額を事業者に支払い、その後の申請によって介護保険給付分(購入費用の7~9割)が利用者に払い戻されます。(指定口座に振り込まれます)
受領委任払い
利用者が購入費用の自己負担分(1~3割)を事業者に支払い、申請によって介護保険給付分(購入費用の7~9割)が事業者に支給されます。
※給付分の受領権限を事業者に委任することになります。
※この方式が利用できるのは「受領委任払い取扱事業者」で購入する場合に限ります。

※「受領委任払い」については、市区町村により扱いが異なるようです(独自の要件を設けている場合もあります)。詳しくは市区町村のWebサイトなどでご確認ください。

必ず相談を

介護保険を利用して福祉用具を購入する際には、必ず担当のケアマネジャー(または地域包括支援センター)に相談するようにしてください。

購入に際して何らかの不備があると、介護保険が適用されず全額自己負担になってしまうこともあり得ます。

利用不可となるケース

介護保険施設(特別養護老人ホーム等)に入所している場合は、「特定福祉用具販売」が利用できなくなります。(短期入所を除きます)

著者情報

高橋 永治(たかはし えいじ)

介護情報サイト「介護Ways」の運営者。

1996年、自身にとって初となるWebサイトを立ち上げ、98年からは企業向けのWebサイト制作サービスを開始。現在は企業サイトの運営管理、および複数の自サイトの運営管理を行っている。

親が認知症になってからは介護の世界に関心を持ち始め、介護保険制度について調べていくうちに「この複雑で分かりにくい情報を整理したい」という思いに駆られ、10ヶ月に渡る制作期間を経て2020年1月に介護Waysを公開。「簡潔に分かりやすく」がモットー。