福祉用具貸与の概要

対象品目や利用条件、料金などについて。

要支援 要介護
更新日:2021/05/27
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福祉用具貸与とは

福祉用具貸与は、利用者の日常生活に必要となる福祉用具を、介護保険を使って借りることができるサービスです。

このサービスでは、指定を受けた事業者が、福祉用具を適切に利用するための各種支援(相談、説明、取り付け、調整等)を行いながらレンタルを実施します。

※指定事業者からのレンタルでないと、介護保険の対象とならないので注意が必要です。

※要介護者向けのサービスは「福祉用具貸与」、要支援者向けのサービスは「介護予防福祉用具貸与」といいます。(以下、この2つを合わせて「福祉用具貸与」と表記します)

サービスの対象者

福祉用具貸与のサービスは、「要支援1・2」または「要介護1~5」の認定を受けた人が対象となります。

福祉用具貸与の対象品目

このサービスでレンタルできる福祉用具は次の13品目です。

※要介護度により、介護保険適用の対象品目が限定されます。(本人の状態によっては例外もあり)

介護保険適用の品目[上段] 対象者(要介護度)[下段]
車いす
(自走用、介護用、電動)
要介護2~5
車いす付属品
(クッション、補助装置等)
要介護2~5
特殊寝台
(背上げ、高さ調整ができるベッド)
要介護2~5
特殊寝台付属品
(手すり、マットレス等)
要介護2~5
床ずれ防止用具
(エアマットレス等)
要介護2~5
体位変換器
(体位を容易に変換できる機能をもつもの)
要介護2~5
手すり
(工事を伴わないもの)
要支援1・2、要介護1~5
スロープ
(工事を伴わないもの)
要支援1・2、要介護1~5
歩行器
(四脚の歩行補助具等)
要支援1・2、要介護1~5
歩行補助つえ
(松葉杖、多点杖等)
要支援1・2、要介護1~5
認知症老人徘徊感知機器
(離床や通過を感知して通報する装置)
要介護2~5
移動用リフト ※つり具の部分を除く
(人を持ち上げて移動する装置)
要介護2~5
自動排泄処理装置
(寝たままの状態で排泄を処理する装置)
要介護4・5

利用料金について

利用者が支払う自己負担額は、レンタル料の1~3割です。例えば月額レンタル料が5,000円の商品をレンタルする場合、利用者負担割合が「1割」の人は毎月500円を支払うことで借りることができます。

商品のレンタル料は、制度によって定められている訳ではなく、事業者が独自に設定した料金になります。そのため、同一の商品であっても事業者によりレンタル料が異なる場合があります。(ただし、極端なばらつきを抑えるため、制度によって商品ごとの上限額が設定されています)

また、福祉用具貸与は区分支給限度額の対象に含まれるため、他の介護サービスとの費用バランスを考えながら福祉用具をレンタルする必要があります。

利用不可となるケース

施設に入所して介護サービスを受けている人(短期利用を除く)は、「福祉用具貸与」が利用できない場合があります。

利用不可

介護保険施設(特別養護老人ホーム等)に入所している場合は、「福祉用具貸与」と「特定福祉用具販売」が利用できなくなります。

介護付きの施設(介護付き有料老人ホーム等)で「特定施設入居者生活介護(一般型)」を受けている場合は、「特定福祉用具販売」は利用できるものの、「福祉用具貸与」は利用できなくなります。

※「特定施設入居者生活介護(一般型)」を利用中に福祉用具のレンタルが必要となった場合は、施設側の負担によりレンタルすることになります。

利用可能

介護付きの施設で「特定施設入居者生活介護(外部サービス利用型)」を受けている場合は、「福祉用具貸与」と「特定福祉用具販売」のどちらも利用が可能です。

住宅型の施設(住宅型有料老人ホーム等)に入居している場合も、「福祉用具貸与」と「特定福祉用具販売」のどちらも利用が可能となります。

著者情報

高橋 永治(たかはし えいじ)

介護情報サイト「介護Ways」の運営者。

1996年、自身にとって初となるWebサイトを立ち上げ、98年からは企業向けのWebサイト制作サービスを開始。現在は企業サイトの運営管理、および複数の自サイトの運営管理を行っている。

親が認知症になってからは介護の世界に関心を持ち始め、介護保険制度について調べていくうちに「この複雑で分かりにくい情報を整理したい」という思いに駆られ、10ヶ月に渡る制作期間を経て2020年1月に介護Waysを公開。「簡潔に分かりやすく」がモットー。