短期入所生活介護(ショートステイ)の概要

サービス内容や利用条件、料金などについて。

要支援 要介護
更新日:2021/06/03
共有
Twitter
Facebook
LINE

短期入所生活介護(ショートステイ)とは

短期入所生活介護(ショートステイ)は、特別養護老人ホームなどに短期間入所して、食事や入浴などの介護、機能訓練、レクリエーションなどを受けるサービスです。

このサービスでは、日常的な介護を必要とする要介護者・要支援者を施設に預けることで、その家族に「休息や外出の時間」を作ってもらうことが主な目的となります。

※要介護者向けのサービスは「短期入所生活介護」、要支援者向けのサービスは「介護予防短期入所生活介護」といいます。(以下、この2つを合わせて「短期入所生活介護」と表記します)

サービスの対象者

短期入所生活介護のサービスは、「要支援1・2」または「要介護1~5」の認定を受けた人が対象となります。

利用日数

連続利用日数は最大で「30日」までとなります。

※利用可能な日数には「支給限度額」も関係してくるので、要介護度の低い人はこれよりも短くなります。

利用施設

短期入所生活介護のサービスは、主に次の施設を利用して提供されます。

施設の種類:「特別養護老人ホーム」など

施設の形態には「併設型」と「単独型」の2つがあり、この違いにより利用料が多少変わります。(単独型の方が少し高いです)

併設型
特別養護老人ホームなどに併設されているタイプです。(本体施設の空きベッドを利用する「空床利用」を行っている場合もあります)
単独型
ショートステイ専用の独立した施設を利用するタイプです。

部屋のタイプ

部屋のタイプは次の4つです。(どのタイプが利用できるかは施設により異なります)

従来型個室
一般的な個室
多床室
2~4人で利用する相部屋
ユニット型個室
ユニットケアを導入している個室
ユニット型個室的多床室
ユニットケアを導入している個室風の多床室(完全な個室ではなく、多床室を間仕切りで区切ったスペースになります)

ユニットケアとは、10人ほどの利用者で1つのユニットを形成し、各ユニット単位で共同生活を送る仕組みのことです。共用スペース(リビング等)がユニットごとに設置され、それに隣接する形で各部屋が配置されています。

短期入所生活介護のサービス内容

短期入所生活介護では、主に次のサービスを受けることができます。

サービス内容
  • 食事の提供
  • 食事、排泄、入浴などの介助
  • 機能訓練
  • レクリエーション

自己負担額の目安

短期入所生活介護の1日あたりの基本料金(介護サービス費)は次のようになります。

※施設の形態(併設型・単独型)、部屋のタイプ、利用者の要介護度により料金は異なります。

要支援者の基本料金

「要支援1・2」の認定を受けている人の料金です。

例:併設型の施設を利用する場合
部屋のタイプ[上段] 自己負担額(1日)[下段]
ユニット型個室
ユニット型個室的多床室
要支援1
523円
要支援2
649円
従来型個室
多床室
要支援1
446円
要支援2
555円

※単独型の施設では、上記の金額よりも若干高くなります。

要介護者の基本料金

「要介護1~5」の認定を受けている人の料金です。

例:併設型の施設を利用する場合
部屋のタイプ[上段] 自己負担額(1日)[下段]
ユニット型個室
ユニット型個室的多床室
要介護1
696円
要介護2
764円
要介護3
838円
要介護4
908円
要介護5
976円
従来型個室
多床室
要介護1
596円
要介護2
665円
要介護3
737円
要介護4
806円
要介護5
874円

※単独型の施設では、上記の金額よりも若干高くなります。

共通事項

送迎を希望する人は、その費用が別途必要となります。

食事代や部屋代などは介護保険の適用外となるので、それらの費用は自費で負担する必要があります。(費用の目安は基準費用額をご覧ください)

  • ※上記の自己負担額は利用者負担割合が「1割」の場合の金額です。
  • ※基本料金の他に複数の加算項目が設定されています。
  • ※サービスを利用する地域(地域区分)により利用料金は異なります。

食事代と部屋代を含めた料金のサンプル

参考までに、食事代と部屋代を含めた額を次の条件で計算してみました。

  • 利用者の要介護度:要介護3
  • 施設の形態:併設型
  • 部屋のタイプ:ユニット型個室
  • 食事代と部屋代には「基準費用額」を使用

計算式:介護サービス費(1割負担) + 食事代と部屋代 = 合計額
(食事代 = 1,445円/日、部屋代 = 2,006円/日)

利用日数[上段] 自己負担額[下段]
1日 838円 + 3,451円 = 4,289円
7日 5,866円 + 24,157円 = 30,023円
14日 11,732円 + 48,314円 = 60,046円
30日 25,140円 + 103,530円 = 128,670円

※上記の金額は目安としてご覧ください。(各種の加算費用、理美容代、日用品代などは含まれていません)

「多床室」を利用する場合は、部屋代が大幅に安くなります。食事代については施設によってばらつきがあり、おやつ代を含めて「2,000円/日」くらいかかる場合もあります。

1日あたりの総費用としては、条件により異なりますが「4,000~7,000円」の範囲に収まるケースが多いようです。

所得が少ない人は、食事代と部屋代の負担が軽減される「特定入所者介護サービス費」を利用できる場合があります。

著者情報

高橋 永治(たかはし えいじ)

介護情報サイト「介護Ways」の運営者。

1996年、自身にとって初となるWebサイトを立ち上げ、98年からは企業向けのWebサイト制作サービスを開始。現在は企業サイトの運営管理、および複数の自サイトの運営管理を行っている。

親が認知症になってからは介護の世界に関心を持ち始め、介護保険制度について調べていくうちに「この複雑で分かりにくい情報を整理したい」という思いに駆られ、10ヶ月に渡る制作期間を経て2020年1月に介護Waysを公開。「簡潔に分かりやすく」がモットー。