介護医療院の概要
サービス内容や入所条件、入所費用などについて。
介護医療院とは
介護医療院は、長期的な療養を必要とする要介護者を受け入れ、医学的な管理の下で、介護、医療ケア、リハビリテーションなどを行う公的施設です。
この施設は医療体制が充実しているため、高度な医療ケアを必要とする人でも入所することが可能です。また、介護・医療だけでなく「生活の場」としての機能も併せ持っています。
「重度の要介護」「認知症」「高度な医療ケア」「ターミナルケア(終末期ケア)」「看取り」に対応しています。
入所対象者
65歳以上で「要介護1~5」の認定を受けている人のうち、長期の療養を必要とする人が対象となります。
施設の形態
介護医療院には「Ⅰ型」と「Ⅱ型」があり、それぞれ次のような利用者を対象としています。
※この2つの施設では介護と医療が一体的に提供されます。
- 介護医療院「Ⅰ型」
- 重篤な身体疾患を有する人、および身体合併症を有する認知症高齢者等を対象としています。
※より高度な医療ケアを受けられます。 - 介護医療院「Ⅱ型」
- 「Ⅰ型」と比べて、容態が比較的安定している人を対象としています。
上記の他に、居住スペースと医療機関を併設した「医療外付け型」という形態もあります。
- 医療外付け型
- 容態が比較的安定している人を対象としています。
「医療外付け型」では、介護は居住スペースにおいて提供され、医療は併設する医療機関が提供することになります。
概算費用
介護医療院は公的な介護保険施設のため、初期費用は不要で月額の費用も低めに抑えられています。また、「特定入所者介護サービス費」の対象施設となるため、低所得の人は食事代と部屋代の負担が軽減されます。(条件を満たしている場合)
初期費用 | なし |
---|---|
月額費用 | 7万円~17万円 |
介護医療院の利用には次の月額費用がかかります。
施設サービス費 + 食費・居住費 + 日常生活費・他
- 施設サービス費
- 介護サービスにかかる費用のことで、利用者は1~3割を自己負担します。この費用は、利用者の要介護度と部屋のタイプなどによって変動します。
- 食費・居住費
- 食費と居住費(部屋代)は全額自己負担となります。居住費は部屋のタイプによって変動します。
- 日常生活費・他
- 日用品代や理美容代などが必要に応じてかかります。
※おむつ代は「施設サービス費」に含まれるため、別途負担はありません。
部屋のタイプ
部屋のタイプは次の4つです。(どのタイプが利用できるかは施設により異なります)
- 従来型個室
- 一般的な個室
- 多床室
- 2~4人で利用する相部屋
- ユニット型個室
- ユニットケアを導入している個室
- ユニット型個室的多床室
- ユニットケアを導入している個室風の多床室(完全な個室ではなく、多床室を間仕切りで区切ったスペースになります)
※ユニットケアとは、10人ほどの利用者で1つのユニットを形成し、各ユニット単位で共同生活を送る仕組みのことです。共用スペース(リビング等)がユニットごとに設置され、それに隣接する形で各部屋が配置されています。
- ※1人あたりの床面積の規定は、「Ⅰ型」と「Ⅱ型」が「原則8㎡(約5畳)以上」(経過措置として6.4㎡以上でも可)、「医療外付け型」が「原則13㎡(約8畳)以上」となります。
- ※介護医療院における「多床室」では、家具、パーテーション、カーテン等の組み合わせによって室内を区切り、入所者のプライバシーを確保することとされています。
介護医療院のサービス内容
介護医療院では、主に次のサービスを受けることができます。
- サービス内容
-
- 食事の提供
- 食事、排泄、入浴などの介助
- 生活相談
- 生活支援(掃除、洗濯、等)
- 専門職員(理学療法士・作業療法士・言語聴覚士)によるリハビリテーション
- 高度な医療ケア
- 健康管理(健康状態の確認、服薬管理、等)
- 緊急時の対応
- ターミナルケア(終末期ケア)、看取り
※この施設で提供される介護サービスのことを「介護医療院サービス」といいます。
施設サービス費の目安
介護医療院の1日あたりの基本料金(施設サービス費)は次のようになります。
※施設の形態、部屋のタイプ、利用者の要介護度などにより料金は異なります。
部屋のタイプ[上段] | 自己負担額(1日)[下段] |
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ユニット型個室 ユニット型個室的多床室 |
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従来型個室 |
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多床室 |
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上記は料金設定の一部のみを掲載しています(実際には条件ごとに細かく設定されています)。また、上記表の「サービス費Ⅰ」とは職員の配置にかかわる区分のことです。
食事代や部屋代などは介護保険の適用外となるので、それらの費用は自費で負担する必要があります。(費用の目安は基準費用額をご覧ください)
食事代と部屋代を含めた料金のサンプル
参考までに、食事代と部屋代を含めた月額を次の条件で計算してみました。(1ヶ月=30日で計算)
- 施設の形態:介護医療院Ⅰ型、サービス費Ⅰ
- 部屋のタイプ:多床室
- 食事代と部屋代には「基準費用額」を使用
計算式:施設サービス費(1割負担) + 食事代と部屋代 = 合計額
(食事代 = 43,350円/月、部屋代 = 11,310円/月)
利用者の要介護度[上段] | 自己負担額(月額)[下段] |
---|---|
要介護1 | 24,750円 + 54,660円 = 79,410円 |
要介護2 | 28,020円 + 54,660円 = 82,680円 |
要介護3 | 35,130円 + 54,660円 = 89,790円 |
要介護4 | 38,130円 + 54,660円 = 92,790円 |
要介護5 | 40,860円 + 54,660円 = 95,520円 |
以下は「特定入所者介護サービス費(第2段階)」の適用を受けた場合の月額のサンプルです。
(第2段階:食事代 = 11,700円/月、部屋代 = 11,100円/月)
利用者の要介護度[上段] | 自己負担額(月額)[下段] |
---|---|
要介護1 | 24,750円 + 22,800円 = 47,550円 |
要介護2 | 28,020円 + 22,800円 = 50,820円 |
要介護3 | 35,130円 + 22,800円 = 57,930円 |
要介護4 | 38,130円 + 22,800円 = 60,930円 |
要介護5 | 40,860円 + 22,800円 = 63,660円 |
「高額介護サービス費」の適用を受けた場合は、更に安くなる可能性があります。
※上記の金額は目安としてご覧ください。(各種の加算費用、理美容代、日用品代などは含まれていません)